『生産情報公開牛肉JAS』取得の意義

BSE発生から、3年の間に、牛肉産業は大きく変化しました。
その1つがトレーサビリティーの導入です。

トレーサビリティーとは生産履歴のことで、導入されることにより、日本中全ての牛の生年月日や生産者・肥育者と言った移動歴がわかるようになりました。
人間の住民票と同じように移動が管理され、出生届から始まって死亡届(牛の場合は出荷届)で報告するようになったのです。

加えて、どのような環境でどのような飼料を食べ、どのような病気になりどのような治療や投薬が行われたかも公開されます。
消費者のみなさんが最も知りたい情報を、正直に公開する為にできた制度が、この『生産情報公開牛肉JAS』です。

私たち、松永牧場は8月2日に認証を受けました。

これにより、8月末からJAS認定牛が市場に出ることが可能となります。
ただ、肉の小売業者の認定が遅れているため、消費者のみなさんのがJAS認定牛を購入できるようになるまでには、もうしばらく時間がかかることとなります。

さて、この制度に基づき履歴を公表することによって、私たちが心配していることがあります。
それは消費者のみなさんが使用する薬について敏感に異常に反応しないかと言うことです。

当牧場では病気や怪我の治療にきびしい薬事法に基づいて、適正に薬が使用されています。
たくさんの種類の薬品が公表されると、不安を感じる人もいることと思います。
しかし、知らないから安心と言うのではなく、きちんと理解していただいて、安心して食べていただきたいと考えているのです。

今後、さまざまな食材で、生産履歴の公開という時代になってくると思いますが、生産者として正直に報告することが、最も必要なことではないでしょうか。

公表された生産履歴を見て、消費者の皆さんが判断する、これこそが、失われている安全と安心をイコールで結びつける第一歩だと私 たちは考えます。