アメリカでのBSE発生に思う
2003.12.26|カテゴリー:社長コラム
ついにアメリカでBSEが発生しました。
牛肉消費の3分の1を占めるアメリカでの発生は、流通業界、食品業界において相当の打撃となります。
ましてや、年末商戦のさなか、一番の稼ぎ時のなかでの発生となりました。
私は以前から、アメリカでの発生は時間の問題だと思っていました。
カナダでの発生。インターネット上では約20%の鹿がBSEと似た症状を発症しているといわれています。
アメリカでのサンプリング検査も、カナダにBSEが発生して以降サンプル数を急速に増加させてはいるものの、それでも、全体の0.005%(2万頭に1頭)に過ぎない状況です。
そのような環境の中で、発生が確認されていないから安全だというのは大きな間違いだと思います。
実際に、日本でもサンプリング検査の中で初のBSEが確認されました。
その後全頭検査が行われるようになってからBSEと確認された8頭は、BSE特有の症状さえも出ていません。
特に8、9頭目は、ヨーロッパで絶対に発症しないといわれていた21~22ヶ月の牛の中で発見されたのです。
これは、日本が世界に先駆けて全頭検査を実施した結果だと思っています。2003年の4月からは20ヶ月以上の死亡牛全ても検査されています。
トレ-サビリティーも確立されつつあり、素性の不明な牛は屠畜(とちく)も禁止になりました。
アメリカは日本のBSE検査体制を『非科学的』と非難し、耳を傾けようともしませんでした。
しかし、日本の健全な畜産業の維持の為にも、消費者の牛肉離れを防ぐためにも、一日も早く問題を解決し輸入再開できることを望んでいます。
そのためには、日本で実施している全頭検査体制とトレーサビリティーの確立を、アメリカでも早く実施すべきです。
決して、大国のおごりに屈してはならない。それが消費者中心の食料政策に続くのではないでしょうか。